社会全体で取り組むべき女性の健康管理について

厚生労働省では、毎年3月1日~3月8日までを「女性の健康週間」と定め、女性の健康づくりを国民運動として展開している。

近年女性の社会進出が進み、日本の労働人口総数のうち女性の割合が44.4%(厚生労働省令和元年の働く女性の実情参照)を占め、年々増加傾向にある。

女性の健康管理は社会全体で取り組むべき課題と言っても過言ではないだろう。

政府も女性の健康管理の支援策を投じているが、女性のライフスタイルの変化を支える社会的な体制が整っているとは言えない。

女性の身体は月経でホルモンバランスを崩しやすく、精神面でも不安定になりやすい。さらに、女性は結婚、妊娠、出産、子育てと、ライフスタイルが大きく変化していく。

社会的責任を果たすべく自身を後回しにし健康管理を疎かにしている女性を、社会は見て見ぬ振りをしていないだろうか。

厚生労働省が発表している平成21年の女性の死因順位を見ると、1位が癌、2位が心疾患、3位が脳血管疾患となっている。

国立がん研究センターが発表している最新のがん情報サービスによると、2018年の女性の死亡数が多い部位は、1位が大腸、2位が肺、3位が膵臓、4位が胃、5位が乳房だ。

女性の健康管理では、月経関連の症状や疾病、妊娠出産関連の症状や疾病、不妊、妊活、更年期障害、女性特有の疾病などに柔軟に対応する必要がある。

まず女性は、自分自身を尊重し、女性ならではの体調のゆらぎを理解して受け止めることが大切だ。

そして、家庭、企業、社会全体で女性をサポートしながら、女性が堂々と健康管理を行える社会を実現することが必要とされる。

これは、企業の発展、少子化対策、ひいては日本の繁栄に繋がる重要な課題である。